運、実力、+α

運も実力も影響するところではあるが、いったん雇ってくれたクライアントから契約更新をいただけることが多い。


運、というのはコンサルの場合、「偉い人がプロジェクトを取ってきて、中堅以下のコンサルがアサインされる」という形なので、どのプロジェクトにアサインされるかはある種運なのだ。
当然、成果が出しやすいプロジェクト、成長につながりやすいプロジェクトというのはあるし、その逆もある。


で、僕の場合、「契約延長になりやすいプロジェクト」というのに縁が深い。
これは運もある程度ある。
(ちなみに、僕は自分の”運の良さ”に実は絶対に近い自信を持っているが、これは別の機会に)


で、実力というのは、「こいつは役に立たないから要らん!」と言われず、「まだいて欲しい!」と言われるだけの実力を持っているかどうか、ということ。
これは、コンサル業界で気がつくと5年近くやっているので、そのくらいのスキルは持っている。


・・とまあ、運と実力ってとこまではある意味当たり前なのだが、「コンサルとして契約更新をいただく」には、それに加えて性格的なものがあると思う。


コンサルというのは、基本的に、

  • クライアントの意向を徹底的な分析でひっくり返すことこそバリュー

みたいな傾向があるので、そういうことにどうしても終始しがち。


ある種「人生勝ちっぱなし、負けるの大嫌い」みたいな集団ではあるので、クライアントと徹底的な分析で戦って、「ほら、僕の言うことの方が正しい!あなたは間違っている!」ってことをやってこそコンサルだ、と思っている人が多い。

実際、本当に力のあるコンサルは徹底的な分析でクライアントを圧倒し、白旗を上げさせることもできる。
そうやって、仕事をしている人もいる。


しかし、そこまで力のある人というのは結構少ないので、中途半端な人だと、中途半端な分析で、「僕の方が正しい!」とやってしまって、「何かこの人の言うことは腑に落ちない・・」となってしまう。
難しいのは、クライアントはコンサルのようなしゃべり方をしないし、する必要もないので、正面から反論してこない。
そういう状態になると、「うーん。おっしゃってることは分かるんですけどねえ。。何と言いますか。。」みたいな反応になる。

で、中途半端コンサルはそれを聞くと、「このクライアントはバカだ。僕の言っていることが理解できないらしい」みたいな変な溜飲の下げ方をする。
で、そこで契約が終わる。


・・ということで、僕がやっているのは、「基本的によほどクライアントが変な方向に向かわない限り、クライアントに楯突かない」方針を取るということ。

残念ながら僕はクライアントに白旗を上げさせるほどの力はなく、それを自分で分かっているので、無駄にクライアントとロジック勝負をせず、クライアントがやりたいことに最短距離で実現するための方策を考えることに集中している。
いわば、「使いやすい」コンサルであろうとしている。


少なくとも僕がサービスを提供するという意味においては、この立ち位置がクライアントにとってベストだと思っているのだが、戦略コンサル系で人生勝ちっぱなし系の人にはどうも理解しがたいようだ。
そういう人から見ると、僕はクライアントの言うとおりに動いているだけで、何のバリューも出していないように見えるわけで。

とはいえ、事業会社で役員もやった経験からすると、経営陣というのは、「戦略が合ってるか間違っているかを分析によって精緻に知りたい」という欲求はそれほどなく、「やりたいことは決まっているが、具体的にどこから手を付けたら良いか分からないし、それをオーダーできるような幹部もいない」ってことにストレスを感じることが多いものだ。
とすれば、多少論理的にずれていようと、「経営陣がやりたいこと」を支援することに集中する方がバリューであると僕は考えている。


ほぼ3年間稼働率100%を続けているので、少なくとも、「運だけで契約が取れているのではない」くらいの評価はしてもらいたいところだが、どう評価されているかは良く分からない。
分かってくれる人も何人かいるので、理解者を増やしていかないとな。