小沢氏の野望

いろんな人が言っているが、民主党小沢氏の行動は、

  • あらゆる利権を民主党(というか自分?)に集中する

ことに尽きる、というのはおそらく間違いないのだろう。

中国や台湾関連の利権を自分に持ってきたり、普天間問題関連で米国関連の利権を持ってきたり、そういう意味では氏が東北で確立した公共工事利権とやっていることは同じで、そういう意味では一貫している。


ただ、

  • したがって、小沢氏には「日本という国をこうしたい!」というビジョンなどなく、単に利権を得たいだけの悪い政治家だ!

という批判はやや違う気がする。


政治も経営と同じでチームでやるものなんだから、

  • 利権を集めて党の基盤を作る

という機能は絶対に必要なものだ。

企業でいえば、資金調達を行うCFOのような立場か。
(小沢氏はもうちょいどぎついイメージですが)


一方、

  • 日本という国を導くためのビジョンを描く

という機能もこれまた必要で、これは企業で言うとCEOの役割にあたる。


で、CEOとCFOを別の人が担っていても良いし、企業経営ではむしろそれが自然なわけだから、

  • 小沢氏はCFOとしては優秀かも知れないが、ビジョンを持って行動しておらず、CEOの資質に欠けるから政治家失格だ!

みたいな批判は違うだろうと思う。

(ちなみに、金の流れがどうこうということで検察と対決しているが、正直なところ力のある政治家は多かれ少なかれやっているだろうと思う。あの4億円を取り上げて「彼だけが悪い!辞めろ!」みたいな話は低次元な話だと思うので、個人的には興味がない。検察もやるならやるで民主、自民、と平等に検挙すれば良いのに、あからさまに民主だけを狙うってのは何を意図しているのかしら、とかは思うし、現実的には大問題ではありますが。)


問題は、CFOの実力が強すぎて、CEOの実力が弱いためにCFOの剛腕ばかりが目立ってしまうということなんだと思う。


日本としてどうか、ってのは理想論としてあるが、じゃあ「自分が民主党の幹部だったとして、どう振舞うか?」ということが課題だとすれば、

  1. まずは自民党に偏った利権を民主党に移し、やりたい政策を実施できる基盤をまず整備せねばならない
  2. そのあとに、本格的に理想を実現するために邁進する

というのはそれなりに合理性のあるプランだと思う。


基盤がないところで理想を追求して、「結局何も実現できず、政権も追われました」というのが民主党としては最悪のシナリオだろう。


・・ということで、個人的には、「長い目で見てやろうじゃないか」と思っております。
マスコミ(およびそれに踊らされた一般大衆)につまらんことで右往左往させられなければ、政治家ももうちょっと本業に集中できるんでしょうがね。