敷地関連トラブル解決


我が家はやや着工が遅れているのだが、その原因は土地の売主との間で若干トラブル(土地の境界線問題)が発生したからだ。

詳細は事情が複雑なので割愛するが、まあ納得できる線で落ち着いたので良かった。


交渉関連は仕事で慣れてはいるのだが、この手の「ウィンウィンにはなり得ない交渉」は毎度のことながらあまり気分の良いものではない。


交渉にあたっては、あらゆるオプションを考え、ベストと思われるシナリオで対応するのだが、相手も会社を挙げて準備をしてくるわけなので、なかなか有利に運ぶのは難しい。

細かな交渉術はコンサルタントの仕事をしている中で身に付けたのだが(正確には、「交渉準備術」だな。交渉の席でのコミュニケーションは未だにあまりうまくない)、実は一番役に立っているのは、以前一緒に仕事をしたPEファンドの重鎮の仕事姿勢から学んだ教訓だ。


その方は、「どう考えてもそれは無理やろ」と思うような無理筋の都合の良いストーリーを描き、それを1%の可能性がある限り、徹底的に追いかける、というスタイルを取っていた。
実際には、もちろんそれが成功し続けるわけではないのだが、そうやって追いかけることでかなりの無理筋の要求も意外とあっさり通るケースが多々あった。

とはいえ、やっている途中は「無理筋をゴリ押しするおっちゃん」というように周囲に見えてしまうため、煙たがられることも多かったし、実際格好の良い仕事スタイルともいえない。


ただ、「どういう状況であれ、とにかくあきらめない」というスタイルを取っていれば、結構要望は通る、という貴重な教訓を得た。
(その分、無理筋をゴリ押しする手伝いをすることになったので、体力的には多少苦労したが)


・・・ということで、家の話でも何でも重要な交渉の際は僕は「100%不可能でない限り(場合によっては100%不可能に思えても)、とにかくあきらめない」、というスタンスを取ることにしている。
理屈もなにもなくても、「とにかくあきらめず、要求を下げない」という手法はかなり効くのだ。


そのおかげで最近は勝負どころではほぼ100%要求を通すことに成功している。
ま、その分時間がかかったり、交渉期間中やや機嫌が悪くなったり、とか多少の副作用はあるのですが。
笑って100%要求を通せるようになれば一流なんだろうな。