ソーシャルレンディングは日本で流行るか?

先日、投資会社時代の上司と昼食を食べたのだが、その時に、「最近面白い投資先ってありますか?」と聞いて出てきたのが、「ソーシャルレンディング」。
しばらく前に米国ではやりだしたのは知っていたのだが、日本でも三菱銀行を辞めた人が事業を立ち上げたそうだ。
あとは、SBIが米国の大手と合弁を立ち上げてサービス提供準備をしているとのこと。
日本でも数年以内に流行るかもしれない。


で、「ソーシャルレンディング」とはどういうサービスかというと、一言で言うと、
「インターネットを通じて、小口融資の借り手と貸し手を結びつけるサービス」
のこと。


具体的なイメージは、maneoのサイトを見てもらうと分かりやすい。
https://www.maneo.jp/
サイトはSNSのような感じだ。


手順をざっくり言うと、以下のような感じ。
・借りたい人が、借りたい理由(結婚資金が足りない、引越し費用が足りない、など)、借りたい金額、希望する金額などの必要情報を登録する
・貸したい人は、借りたい人の情報を見て、「この人に貸したい」と思った借り手に対し、何%でいくら貸したいかを入札する
・貸したい人が集まり、希望金額に到達した場合、条件の良い貸し手のみが残っていく(⇒これにより、借り手としては、最も良い条件で借りられることになる)
・貸付が成立したら、ソーシャルレンディング事業者は、成約手数料と手数料金利(1.5%程度)を得る(⇒したがって、例えば、貸し手が6%で提示していた場合、実際の借入れ金利は7.5%程度になる)



ネット上で貸し借りが完結するので、気軽にお金の貸し借りができることになる。
ちなみに、与信は基本的にはクレジットスコアリングで行うが、貸し手候補が借りてに質問をすることもでき、そのあたりで信用力の見極めをつけていくことになる。
(「なぜ、その程度の貯金もないのか?」、「なぜ金を貯めるまで待てないのか?」等きびしい突っ込みも入るようだ)



ざっと借り手情報を眺めてみると、「金利がもっと低いはずの銀行借り入れ等を検討せず、いきなりソーシャルレンディングで借りようとしている人」というのがかなり多いことが目に付いた。
普通に銀行でも借りられる信用力なのに、なぜか15%とかの金利消費者金融で借りている人も意外と多いのだが、この辺にビジネスチャンスがありそうだ。


金を借りる時にしっかり調べたりせず、「とりあえず目に付いたところで借りてしまう」という人は実は意外と多いようだ。
(強いて言うと、「TV CMでやってるんだから、大丈夫なんだろう」とかで判断しちゃうんだろうが)

そういう意味では、「ネット上のみで非対面で完結することができる」特質を持つソーシャルレンディングは結構流行るかもしれない。


・金融教育があまりなされておらず
・「金を借りることが恥」であり、周囲に相談しにくい環境(したがって、自分の乏しい知識で何とかしようとしてしまいがち)
である日本市場においては、場合によっては米国より向いているかも。
ま、米国ほど借金に抵抗がない国もめずらしいから、米国以上の市場規模になるというのは考えにくいですが。