例のドーナツ屋に並んでみました⇒良くできたマーケティングですな

ちょっと時間ができたので、有楽町の行列で有名なクリスピークリームドーナツに並んでみた。
何かのメルマガに書いてあったのと同じような内容だが、あまりに良くできたマーケティングなので、僕も書いてみる。


まず、列に並ぼうとすると、「30〜40分待ちです」と言われる。
とはいえ、今日はどうしても手に入れねばならない事情があるため、お手洗いも済ませ、本も準備しているので万全だ。


で、並ぶ。
しばらくすると列が進んで、通路を渡った先に通される。
で、「あと何分くらいですか?」と聞くと、
「通常であと30分くらいです」との答え。


まあ、そんなもんだろうと思っていると、噂の出来立てドーナツ無料サービスが。
出来立てはやはり美味い。
ミスドと大して変わらんだろうと思っていたが、これは流行るわ。
確かにふわふわ度合いが全然違う。
この前アメリカに行ったときにスーパーで買ったのと同じドーナツのはずだが、それとも全然違う。


軽い感動を覚えつつ、食べていると、ドーナツの箱を持った店員さんのセールストーク開始。
「ここから通常ですと、30分程度の待ち時間となります。
ですが、この12個入りの箱でお買い求めのお客様は5分程度でレジまでご案内できます。
その場合、オリジナルドーナツの12個セットか、本日のおすすめドーナツの12個セットのいずれかとなり、内容は選べません。また、追加で単品でご注文いただくこともできませんので、その点をご了承いただくこととなります」
ま、今回は手土産用なので、僕も箱買い組。
なので、そこで手を挙げてレジに案内してもらう。


で、あっと言う間にレジへ。
なんだ、結局10分も待ってないやん。


で、さらなるセールスが。
12個で足りるか微妙だなあ、と思っていると、
「2箱お買い求めになると、200円割引になります」
「う〜ん。じゃあ、2箱で」


・・ということで、24個のドーナツを買って帰ることとなった。
売り方がうまいなあ。


ポイントはいろいろあるが、
・初めから5分待ちの列があるとは言わない
・並んだ人にだけ、無料ドーナツを配る
・2個セットでも6個セットでもなく、12個セット⇒他の人に配らざるを得ない数。それでさらにファンが広がる


うまいなあ。
やるなあ、リヴァンプ


しかも、うまいのは、どう考えても一番美味しいのは列に並んでいた時に配っている無料ドーナツだということ。
(そりゃあ出来立てが一番うまいだろう)


で、それが伝説化する。
箱で買って帰ると家族や友人とシェアして食べる。そして、
「今食べてるのもおいしいけど、並んでるともらえる出来立てのはこれより次元が違うおいしさなのよ」
みたいなことを言うだろう。
そうすると、もらった人も並んでみようかと思うだろう。
そうすると、それをもらった人もまた・・・(以下リピート)


こういう、語り伝えやすい”伝説”を作り、かつそれを語られる仕組み(箱買いによる仲間へのシェア。12個入りを一人で食べる人はまずいないだろう)を作る。
いや〜。本当に良くできてるなあ。
それを体験できただけでも並んだ価値があった。
ま、結局待ったのは10分弱だったけど。