伊坂幸太郎がお気に入り

最近伊坂幸太郎が再びお気に入りだ。

大分前に「オーデュボンの祈り」を読んで衝撃を受けたが、「グラスホッパー」がいまいちだったのでしばらくはなれていた。

「オーデュボンの祈り」は、しゃべるカカシが出てきたり、外世界から隔離され続けた日本の島が舞台であったりといった不思議な世界観が良かった。
不思議な世界観でありながらも、あくまで現実世界とリンクした感じが良いバランスになっていて、気に入っていた。


しかし、「グラスホッパー」では、暴力的なシーンが妙に目立つ感じになっていて、ストーリーも特にどうということがなかった。
それで、まあこんなもんか、と思いしばらく離れていた。


で、久々に手に取ったのが、「陽気なギャングが地球を回す」だ。

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

これは単純に2時間ものの映画を見る感覚で楽しく読めた。
各人が特殊な能力を持つ強盗団が主役なのだが、不思議と現実離れしない感じが良い。

相変わらず暴力シーンもあるのだが、非常にドライな感じで湿っぽさがない。
何というか、暴力的なシーンを読んでいて、音がしない感じがする作家だ。
(これが馳星周だと、音とか匂いとかまで伝わってくるところだ)


面白い小説を探している方は、是非ご一読を。
お勧めはやっぱり「オーデュボンの祈り」。

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

オーデュボンの祈り (新潮文庫)