映画レビュー「In Good Company」+キャリアにおけるポジショニング

映画レビュー「In Good Company」


【あらすじ】
大手スポーツ雑誌の営業部長の主人公(50歳くらい)の会社が買収され、やってきた上司は自分の子供くらいの年齢(26歳)。
しかも、その上司が自分の娘とデキてしまってことを知り・・・


【で、思ったこと】
あらすじを見た段階で、想像するようなストーリーそのまま、と言えばそのままの映画。
だが、当たり前ながらもハートウォーミングなストーリーはやはりすんなり心に入ってきて、心地よかった。

ITを核としたM&A企業:虚業で金をかすめとる。人の心は2の次
昔堅気の社員(主人公):人を大事にする。相手に貢献して利益をつくる

みたいな対比で描かれているのは、日本でもアメリカでも同じことが起こっているってことなんだろうし、価値観は根底では共通しているということでもある。


僕もM&A屋としては、信念を持って、皆のためになる投資をしたいもんです。


【ビジネス的(キャリア的)な視点で考えたこと】
26歳で大手企業の部長に大抜擢されるということは、普通に大企業に新卒で入社した場合はまずありえないことだ。

この映画のパターンでは、
M&Aを積極的に行う新興企業で名を上げる
・買収先に送り込む幹部として抜擢される
ということになっている。

ポイントは、
オーナー(株主)>経営陣>社員
の順に力関係が強いということ。

したがって、早期に良い地位に就くためには、オーナー側にポジションを取るのが効率が良い。
社員から経営陣にまで登りつめるには、ちょっと大きな企業なら20〜30年かかってしまう。
しかし、オーナー側から送り込まれるのであれば、20代でも十分可能だ。
実際ファンドから送り込まれた若手経営者は、僕の知り合いだけでもたくさんいる。


また、昨今の買収騒動で気付く人も増えてきたが、
「オーナー側にポジションを取らなければ、経済的には報われにくい」
ということも、大事なポイント。

オーナー側にポジションを取っていれば、企業の上場もしくは売却によって億単位の収益をあげるチャンスがあるが、社員の立場では基本的には給料しか収入がなく、そのようなチャンスはない。

フジテレビが仮に何千億円かで売れたとして、その金が誰のものになるかというと、株主(オーナー)のものになるのだ。
勘違いしがちだが、経営陣や社員には一銭も入らない。(株を持っていれば別だが)

一生給料が上がり続ける、ということが幻想になりつつある昨今、普通に社員をしていると、一生働き続けても老後の心配をせねばならない、ということが当たり前になってくる。


頑張って働いて会社で上を目指す、というのも正攻法として正しいだろう。
ただし、ポジションの取り方を変えるだけで、全く違う近道も存在する、ということは知っておいた方が良い。