法人税減税の目的は何か?
法人税減税も実現しそうだが、目的からするとすっかり骨抜きになりそうな感じ。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-17893620101028
政府税制調査会は28日夕に全体会合を開き、2011年度税制改正で法人税の5%下げを要望している経済産業省から説明を聴取した。焦点の財源論で経済産業省は減価償却制度の見直しや繰越欠損金の使用制限などにより約5000─6000億円の財源確保が可能との試算を提示した。
〜〜中略〜〜
一連の説明に対して、尾立政務官は、(1)法人税5%下げによる自然増収に確証が持てないこと、(2)減収見合いの財源確保を原則する税調の立場では、まずは法人関係税制のなかで財源を見つけてもらいたい、などの問題点を指摘した。
ってことは、要は、
【経産省】
- 法人税率は下げるが、別の形で法人には税を課すことで減税による税収減は半分に抑えます!
- その代わり、経済が活性化することで税収増効果があり、結局得です!
【税調】
・・ってことですな。
完全に目的を見失ってる。。
元々、
- 諸外国に比べて重たい法人の税負担を軽減することで、日本から逃げ出している企業を踏みとどまらせる
- あわよくば、日本からすっかり離れつつある海外の投資マネーを日本に呼び込む
ってのが目的なはず。
そこからすると、そもそも「法人の税負担を軽減」しなければ意味がないはずだ。
なのに、推進派の経産省ですら、法人の税負担を競争力ある水準に下げる気はないようだ。「5%下げるけど、別の形で2.5%分くらいは増税します!」って言ってるわけで。
税調に至っては、要するに「法人の税負担を下げることはまかりならん。税率を下げました、ってことだけアピールできるように鉛筆をなめれば良いじゃん!」っていうことだよな。
法人税減税の財源は、
など、法人関係税以外から持ってこなければ意味がない。
1〜2兆円税収が下がるというなら、消費税0.5〜1%くらいの増が必要になる。
そのくらいのことは誰でも分かるはずなのだが、要は、それを正面切って国民に説明して理解を得る自信がないってことなんだろうな。
「50万人公務員をカットする!」と宣言しても国民を納得させられる英国の首相のような人もいるのに、情けないことです。
英国どころじゃないくらい危機的な状況だと思うのだが。