新人弁護士も大変やな

うわさには聞いていたが、数字を見るとあらためてびっくり。
司法修習が終わった新人弁護士の就職内定未定率がこんな感じ。

  • 2007 20%
  • 2008 30%
  • 2009 43%

新司法試験の合格率を高めに見て40%として、ロースクールに入った人のその後を考えると・・

  • 60%(100%−40%): 新司法試験に合格せず、法曹になれずに終わる(普通の会社に入れるかどうか・・)
  • 17%(40%×43%):  弁護士資格を取ったが、就職先なし。いきなり独立(商売が成り立つかどうか・・)
  • 23%(40%×57%):  弁護士として、所属事務所も決定(これでようやく”普通の”スタートライン)


ううむ。厳しいねえ。
ロースクールに2年と学費を費やしていっても、成功率は23%の賭けということになる。
これだと、2年就職が遅れることを覚悟で(まあ、院に行くくらいのイメージで)大学卒業後にロースクールに行くって場合くらいしか取れないリスクだよなあ。
社会人が、「年収×2+学費+2年実務経験を放棄して単に年齢が上がることによる再就職難易度上昇リスク」なんてのを取るのはよっぽどのことだよな。



一部の大手事務所が急拡大しているが、中小は変わってないんだろうな。
ちなみに、西村あさひの弁護士数はこんな感じ。
http://www.jurists.co.jp/ja/firm/outline.html

2001 120人程度 ⇒ 2010年 471人 だから、10年で4倍になったことになる。
(ま、合併とかも含んでいるので、純増はもうちょい少ないんでしょうが)


西村あさひの先生に聞いても、「毎年フロアを拡大してます」みたいなことを言っていたので、本当に急拡大なのだろう。


大企業相手で大量に弁護士を使う仕事(M&Aとか)を受けるためには、やっぱり規模が必要なので、そういう事務所はまだまだ大きくなるだろう。
例えば、M&Aが一件あると、セルサイド1社、とバイサイド3社程度のファームが必要になり、それぞれピークで10人程度動員されるとなると、それだけで40人くらいの弁護士が動く計算だ。

とはいえ、大事務所も4つくらいしかないから、そこが年30人ずつ採っても120人か。3000人には遠いな。
司法修習所だと、大事務所で内定が出なかった人は顔が青くなるというが、そりゃそうかもな。
そこで受からなかったら就職先がない確率が急上昇するわけで。。
結局、これまで同様、良い大学を出て、若い間に受からんといかんってことになりそう。
「社会人経験を持った多様な法曹の実現」のためには一工夫要りそうやな。