韓国と日本を比して思う
最近、韓国が調子が良い。
経済面でも危機後の回復力で日本を圧倒しているし、バンクーバーオリンピックでも韓国の躍進は明らかだ。
政治面で採っている政策は理にかなっているし、オリンピックに向けた強化方針も見事だと思う。
で、その詳細というよりは、そもそもなぜそういった政策や強化方針が韓国には取れて、日本には取れないのか?
細かい差異を言い出すと切りはないが、主要な要因を占めているのは、年齢構成ではないかと考えている。
企業に身を置いていると痛感するのだが、構成員の年齢構成によって運営方針はガラリと変わる。
構成員の平均年齢が若い場合は、
- 新しい取り組みに積極的になる
- 成長を志向する
雰囲気が強い。
高齢になってくると、
- 昔ながらのやり方にこだわる
- 安定を志向する
感じが強くなる。
総務省統計局によると、2010年における中位年齢(中央値の年齢)は以下の通り。
- 日本 2000年 41.5歳、2010年 45.1歳、2020年 49.0歳
- 韓国 2000年 32.0歳、2010年 38.0歳、2020年 43.4歳
これから見ると、韓国は2000〜2010年くらいが30代中盤が中央年齢である。
とすれば、若さと実力を兼ね備えている30代が主力になっている2000〜2010年くらいが活力的にはピークであるのではないかと考えられる。
さかのぼれば、日本も以前は以下のような感じだったのだ。
- 日本 1970年 29.0歳、1980年 32.5歳、1990年 37.7歳
ここからすると、日本が1970〜1990年あたりに好調だったのは納得できる気がする。
ただし、韓国も急速に高齢化が進み、2020年には43.4歳に達するため、あと5年もすると日本と同じような雰囲気になってくるのではないかと推測できる。
・・・で、これに関しては韓国政府は非常に強い危機感を持っているらしく、かなり真剣に日本の衰退原因を研究しているそうだ。
要は、人口構成は変えようがないわけで(30年後の30歳はすでに生まれているわけだから)、日本のような人口構成になっても、今と同様の活力をいかに維持できるか、ってのがテーマだ。
解決策があれば、これは是非共有したいところだな。
まあ、高齢化した日本の幹部(政府も経済も)が抜本的な解決策を受け入れる可能性は低いのだろうが。
ちなみに、参考に中国を見ても、一人っ子政策の影響で急速な高齢化が進む。
- 中国 2000年 30.0歳、2010年 34.9歳、2020年 37.9歳、2030年 41.3歳
もうほんの20年先には41.3歳になってしまうのだ。
そうなると、中国も今ほどアグレッシブな政策を採り続けられるだろうか?
規模が1桁違うので難しいところだが、老害に陥った巨大国家かどうなるかを想像すると背筋が寒くなるものがある。
なお、アメリカも徐々に高齢化が進むが、非常に緩やかだ。
- 米国 2000年 35.3歳、2010年 36.5歳、2020年 37.5歳
この要因は、そもそも国自体が実はまあまあ若い(230年しか経っていない)ということと、積極的な移民政策によるものだ。
WASPはそれなりに高齢化しているのだろうが、その分移民で若年層を補っている、ということである。
ここに一つ高齢化を避ける解があると思うのだが、日本が超積極的に移民を受け入れるというのは難しいだろうな。
なにせ、スノボの国母氏がちょっと一般大衆が好まない服装をしただけでたたかれる国だ。
多分にマスメディアに煽動されたものとはいえ、画一化された人物像しか認めたがらない、という国民性であるとすれば、国母氏どころではない、想像外の行動をとるであろう移民をどんどん受け入れる、というのは非常に考えにくい。
(その割には、外国人参政権とかわけの分からないことを考える議員がいるわけですが)
・・・で、話が拡散したが、結局何かというと、
- 5年もすれば韓国は日本と同様に国家的に老害による活力不足の兆候が出てくるだろう
- 中国も20年後には同様の状況に陥るであろう
と予測しています。
そんな中、オーストラリアのランド首相が、
- 今後25年で1.5倍に人口を増やす(2000万人⇒3500万人)
- そのうち、800万人は移民で増やす
という政策を発表したそうな。
国内でものすごい軋轢が生まれると思うが、本気でやる気なら、オーストラリアに移民しようかと真剣に考えたりしております。
(ま、オーストラリアに絞って考えることもないですが)