民主党はダメだな

政権もたまには変わらないと利権が固定して良くない、という観点から政権交代という意味で民主党も良いかと思っていたが、最近の政策はあまりに経済オンチすぎてつらい。。
意識的に日本を没落させようと思っているとしか思えん。


内部留保課税とか本当にあり得ないよなあ。
「大企業が給料に回さずに溜め込んでいる資産を庶民である従業員に分配しよう!」
みたいな発想なんだろうが、その発想は「企業=搾取する側、従業員=搾取される側」ってことで、どこまで左なんだろうなあ。


世界的の国々が、

  • 世界の資本(カネと企業)をいかに自国にひきつけるか
  • 世界の頭脳をいかに自国にひきつけるか

って競争をしているのに、完全に逆を向いてるよな。


ただでさえ高い法人税、かつ不明瞭で税リスクが非常に読みづらい税制のせいで海外資本が日本を敬遠しているのに、さらに税率を上げてどうするつもりなんだろう。
「利益の40%を税金で持っていかれ、かつ人口も減って将来的に経済規模が小さくなる国」と、「利益の20%しか持っていかれない上に経済規模が年10%で成長している国」とではどっちに資本を投下しますか?って言われたら答えは見えているわけで。

日本の大手企業はすでに売上も生産拠点も海外に移しているわけだから、後は本社を海外に移すというのはかなり現実的な選択肢になってきているのだが、そうなったら税収がどうなるかとか考えないんだろうか?
となったら、日本にとどまってもらうためには最低限税率は下げる方向にいかざるを得ないと思うのだが。


結局、「国の未来」っていうより「自分の党の政権」、ひいては目先の支持率をどう回復するか、くらいしか考えてないってことだよな。


しかも「内部留保」が「現金で企業が貯め込んでいる金額」と思っているような政治家やコメンテーターが少なからずいることには驚きだ。
「企業が従業員に払うべき給料をケチって金庫に貯めこんでいるお金なんだから、本来従業員に還元せねばならないのです!」みたいな。

内部留保ってのは単なる利益剰余金であって、これまでの税引き後利益が積み重なったものだから、当然、現金とイコールではない。
経済不況下で銀行も貸し渋りが起きる中、自己防衛するには、BSの右側でDebtの比率を下げてEquityを厚くして財務上の健全性を高めていかねばならなかったわけで、至極まっとうな経営判断だ。
それを給料で払ってEquityが薄くなったら、借り入れや直接金融も困難になって経営危機に近づいていくわけだが、そういう発想はないんだろうなあ。

ついでに言うと、利益剰余金は税引き後利益が積み上がったものだから、これに再度課税すると二重課税になる。
その辺も詰めて考えたんだろうか。
で、そんな課税をする国に世界の資本が集まるわけがない、ってことは思いいたらないのだろうか?


あと、「所得税率上限引き上げ」も完全に逆行している。
資源もなく、高齢化していく日本は世界中から優秀な頭脳をどんどん輸入せねばならんわけだが、優秀な頭脳というのは当然高給取りだ。
そして、高給取りというのは税金にものすごくセンシティブだ。

自分の腕に自信があるし、世界中から引き合いもあるから、多額の税金を持っていかれる国からはあっさりと去ってしまう。
日本の優秀な頭脳もどんどん流出するだろう。
今後日本にとどまると財政悪化によって税率がどんどん上がるのが目に見えているからだ。
特に、今回の所得税率上限引き上げ、みたいな政策は、あからさまに「日本政府は庶民の味方です。一部の高給取りからは搾り取って、庶民のみなさんに回します!」という人気取りなわけだが、それは優秀な頭脳からすると、「日本は優秀な頭脳を排除したい国なんだな」というメッセージになるわけだ。


もちろん、感情的に庶民擁護を唱えたくなるのは分かるが、優秀な頭脳が産業を築き、雇用を生み、庶民を潤すのが現実の流れだ。
一般庶民にカネをいくらまいたところで、優秀な起業家等が去ってしまえば産業が傾き、結局庶民の職がなくなる。
だから、ドイツのメルケル首相なんかも、批判を承知で「金持ちからカネをうばっても庶民が豊かになるわけではありません」と発言をしたりするわけだ。感情的な批判は受けるだろうが、国を預かる首相としては当然の感覚だが、そういうのが少なくとも民主党政権にはない。


じゃあ、自民党が良いのか、というとそうも言えないのが難しいところ。
ってことで、個人レベルでは日本に依存しないような基盤を作らねばならん、ってことですな。