アラブ人大物投資家へのプレゼン

仕事の関係でアラブ人投資家にプレゼンをする機会があった。


といっても、とにかく忙しい方なので、「ホテルで朝食を取りながら売り込む」という形。
事前に「アラブの各国の有力王族に強いつながりを持っているものすごい大物だけど、気さくな人だよ」という、緊張させたいのかリラックスさせたいのか分からんコメントを受けていたので、やっぱり緊張した。
日本のホテルなのに、ホテルマンに思わず英語でオーダーをしてしまったり。。

某東京で最もお高いホテルのスイートを常宿にしているそうで、ホテルマンも皆その方のことを知っていて、「○○さんはもういらっしゃいましたか?」とか聞くと、すぐに通じる感じ。


やはり、スケールの大きな投資家は視点が全然違っていて、話していて面白い。

こちらはやはり日本への投資について語るのだが、向こうとしては、世界中どこに投資しても良いわけで、まず、「なぜ今日本なの?」という感覚でくる。
「今、日本の不動産は安くなっている上に、これまでの主要プレイヤーは過去の案件が焦げ付いていて動けない。チャンスだ」とか言ってみたところで、「でも、ロンドンだと○%の利回りが取れる。それと比べると魅力がない」みたいな話になる。


不動産以外でも、全く想定外の国の意外な産業に注目していたり(しかも、言われてみると、「確かに」という感じ)、1時間程度の時間だったが、非常に勉強になった。


まだまだ力不足だが、こういう方に普通に声をかけてもらえるようになったら世界が広がるんだろうなあ。
一緒に行った上司はうまいこと自分を売り込んでいたが、売り込み方もさすがだが、上司には売り込めるだけの十分なトラックレコードもあるから、それができるという面もある。


あと、肌感覚で納得したのは、同じ大口投資家でも、中国系と中東系ではまったくスタンスが違うという点。

中国系の投資家だと、「スキを見せたら負け」的なタフな交渉になるので、気が抜けない感じだが、中東系だと、割と情とか誠実さとかが通じる感じ。
あくまで「王族から預かったお金を投資する」というスタンスなので、「王族の体面を傷つけるような卑怯な行為はしない」ということだそうだ。

一方、中国とかユダヤ系だと、「徹底的にビジネス」って感じなので裏をかかれないように神経を使う感じ。
(ま、それほどその辺の人達との交渉経験が多いわけではないので、サンプルは少ないですが)


中東の投資家にコネクションを作って、日本に眠る優良リソースを発掘して、中東の資金をバックに日本の優良企業をエマージングマーケットに進出させる手伝いをインタリムCXO的な立場でやる仕事をできる人になるってのは良いキャリアな気がするなあ。

そうすると、ベースは東京に住みつつ、キャピタルゲイン式のリターンを得られ、かつ、これまでのキャリアも全て生かせそうだ。
5年くらいでそうなれるかどうかが勝負だな。