大企業の終身雇用はすごい(改めて実感)

今再建に関わっている企業の方で、某メガバンク出身の方がいるのだが、その方が転職するという。
50代も中盤を越えたくらいのおっちゃんなのだが、「転職先は未定だ」とのこと。


「その歳で転職先を探すのは大変じゃないか」と一瞬思ったのだが、そんな心配はいらなかった。
聞けば、「銀行が紹介してくれることが決まっている」とのこと。



要はこういうことだ。
メガバンクは終身雇用制だから、60歳までは雇用を確保してくれる。
しかし、銀行の慣例として、同期で役員が出始めたころから、役員になれなかった社員は外に出されることとなる。出し先は、グループ会社であったり、取引先企業であったりさまざまだ。
で、どこに出されようと、60歳までは面倒を見てくれる。
転職先の世話もしてくれるし、人によっては、転職先で落ちた給与分を銀行が補填してくれる場合もあるそうだ。
面倒見が良いことは知っていたが、ここまでとは思わなかった。



いや〜。終身雇用制ってすごいね。
勤め上げさえすれば、60歳までの職確保+退職金+年金で、一生一応安泰なんだなあ。
もちろん、そこまで保護してもらえるのは、大手銀行はじめ、一握りの大企業だけですが。



・・ということで、30も半ばを過ぎるくらいまで来てしまって、そのような日本の大企業にいる人は、よほどのことがない限り、辞めない方が合理的なようだ。
今後知り合いに転職アドバイスするときはそのように言い方を修正しないとなあ。
これまでは、基本的には「ぬるい環境は成長機会を逸するので危険だから、早めに辞めた方が低リスクだ」と言ってしまっていたので。




ちなみに、このような制度が日本の良い面でもあったのだ。


・終身雇用で、会社がしっかり面倒を見てくれる
    ↓
・勤め上げることさえできれば、一生安泰
    ↓
・「長期に渡って、会社の仲間達からつまはじきにされることなく、評価されるように振舞うこと」が得。短期的な自己中心的なインセンティブで動くと、後ろ指をさされることとなり、損をする
    ↓
・自分の業務範囲内であろうがなかろうが、自然と協力しあう職場環境となる


これが、「自分の職務分担がを超えて、自然と互いにカバーし合う職場環境」を生み出すための強力なインセンティブになっていたのだ。
(ま、終身雇用だけが理由なわけではないですが)




・・と、やや話は脱線しましたが、大企業の力を見せつけられた、というお話でした。