事実・数字よりも”思い”が重要

先日、株主のVCに決算の説明に行ってきた。


どこの会社でも言いたいことと話したくないことがあるものだが、そこをうまく話を持っていくのが経営管理部長の手腕というものだ。

ミーティングの開始時刻から、先方の担当者の性格などを考えて、しゃべる内容とか、突っ込ませる部分、かわす部分とかを設計する。


今回は結構うまくいった。
想定外の突っ込みもあったが、同席してもらった副社長のフォローもあってうまく切り抜けた。


それにしても、コンサルタント時代は
「正しい事実と数字こそがすべてを決める」
と思って、議論中の”場”とか”空気”の作り方にはほとんど気を使わなかったが(正確には、そういうものに気を使うこと自体がすごく嫌いだった)、最近ではむしろそういうものの方が重要な気がする。


特にベンチャーの経営に関わっていると、正直なところ、分析して分かることはかなり限定的な気がする。
「市場は縮小している」というものがデータで分かったところで、強い思いを持った個人が粘っこく執着していれば伸びる事業を育てられたりする。

要は、事実や数字がどうか、というのも大事ではあるが、それより大きな要因となるのが、誰がどう思っているか、なのだと実感している。


なので、近頃は事実や数字を細かく積み上げるのに執着するよりは、「誰にどう思ってもらうか」をコントロールすることに頭を使っている。

担当レベルだと事実や数字で十分なのだと思うが、上に行けば行くほど「自分はどう思っているか」「誰がどう思っているか」といったものをいかに把握し、コントロールできるかが力なのだと思う。
僕としては、今のところまだまだ不得意な分野なんだが。。