ポジションを取る姿勢

最近入った部下によく突っ込むポイントとして、
「で、あなたはどうしたいのか?」
というのがある。


いろいろと調べ物を頼むのだが、
「こんなものもあります」
「これはこうなっているようです」
とか、いろいろと調べてくるのは良いのだが、自分で結論を出す習慣がないようなのだ。


本人としては、
「調べろと言われたものは調べました。さあ、判断してください」
というつもりなのかもしれないが、そのレベルで仕事をしている人間は伸びない。


実は、これは僕が某大企業から経営コンサルタントに転職した時にぶつかった壁だったので、気持ちは非常に良く分かる。

古いタイプの大企業での仕事の仕方だと、こんな流れになる。
1)部下は上司の指示に沿って、調べ物をして、資料を作る
2)上司に説明する
3)上司が受け取り、承認する


ポイントは、
・結論は上司が出す(部下は指示に従うだけで、結論を深く考えない)
・3)の時点で当該資料についての責任は上司に移り、部下は責任を負わなくなる
ということだ。

こういう環境で仕事をしていると、
・言われたことだけこなす
・自分の仕事に責任を持たない
という習慣がついてしまう。


しかし、コンサルタントの世界では各人がプロフェッショナルとみなされるので、たとえ上司の指示に沿って資料を作ったとしても、その内容についてはどこまでも自分の責任になる。
したがって、自分で結論を出し、かつ、クライアントに対して自信を持って提案できるレベルまでロジック・根拠を積み上げねばならない。

同じようなテーマが与えられていたとしても、自分でポジションを取り、責任を持って取り組んでいる人間と、言われたことだけを漫然とこなしている人間では大きな差がついてしまう。

早いうちに、「自分でポジションを取る」仕事のスタイルを身につけるべきだ。
僕の場合、これがしっかり体になじむまで1年くらいかかった。
これはもう日々繰り返して慣れるしかない。


なので、結論を僕が下した方が早く、かつ質の高いアウトプットが出ると分かっていても、あえて、
「あなたはどうしたいのか?」
「なぜそう思うのか?」
という問いをぎりぎりまでし続けようと思っている。


とはいえ、最近ストレスのたまった顔をしていることが多い気がするので、もうちょい助けてやるべきか、とも思うのだが。。